クラウドファンディングを始める時、
「目標金額はいくらにすればいいですか?」
という相談をよく受けます。
そこで、
「今回のプロジェクトに300万円必要だから、目標金額も300万円」
と考える人は少なくありません。
もちろん、必要な資金を計算することは大切です。
でも僕は、必要な金額だけでクラファンの目標金額を決めない方がいいと考えています。
大切なのは、
「いくら必要なのか」と「その金額を誰とどうやって集めるのか」をセットで考えること。
この記事では、僕がクラウドファンディングの目標金額を考える時に見ているポイントを紹介します。
最初に考えるのは、プロジェクトを実現するためにいくら必要なのかです。
たとえば、
・商品の製造費
・店舗の設備費
・会場費
・制作費
・リターンの原価
・送料や梱包費
・クラウドファンディングの手数料
などです。
ここでよくあるのが、
プロジェクト本体に必要な金額だけを目標にしてしまうこと。
たとえば100万円集まったとしても、100万円がそのまま手元に残るわけではありません。
2026年9月11日時点で、通常のCAMPFIREでは利用手数料12%と決済手数料5%に、それぞれ消費税がかかります。
通常料率なら、100万円の支援が集まった場合、CAMPFIREから受け取る金額は約81万3,000円。
さらに、そこからリターンの原価や送料などが必要になります。
だから、
「100万円必要だから100万円を目標にする」
では足りない場合があります。
※手数料はキャンペーンや契約条件などによって変わる場合があります。実施時点の公式情報を確認してください。
ここからが、僕が特に大切だと思っているところです。
仮に計算した結果、
「300万円必要」
となったとします。
そこでそのまま、
目標金額300万円
と設定する前に、一度考えてほしいことがあります。
その300万円を、誰が支援してくれるのか?
ということです。
クラウドファンディングは、目標金額を入力すれば、その金額に合わせて支援者が現れる仕組みではありません。
目標金額100万円でも、
平均支援額が1万円なら、単純計算で100件の支援が必要です。
平均支援額が2万円なら50件。
平均支援額が5万円なら20件です。
実際には支援額にばらつきがあるので、こんなに単純ではありません。
でも、
「目標金額 ÷ 想定する平均支援額」
を計算すると、何人くらいの支援が必要なのかが見えてきます。
たとえば目標金額が200万円で、想定する平均支援額が1万円なら、
必要な支援は約200件です。
では次に、
「200人の支援者を集められそうか?」
と考えます。
公開前の時点で、
・支援してくれそうな人は何人いるか
・直接声をかけられる人は何人いるか
・SNSやLINEでどれくらいの人に届けられるか
・法人や大口支援の可能性はあるか
などを見ていきます。
ここで、
「支援してくれそうな人が今のところ20人くらいしか思い浮かばない」
のであれば、200万円という目標を設定する前にやることがあります。
支援者候補をどう整理し、公開前に何を準備するかは、「クラファン公開前にやるべき準備」で詳しくまとめています。
目標を下げることではなく、足りない応援者を公開前から増やすこと。
これもクラウドファンディングの準備です。
僕自身、2017年に初めてクラウドファンディングに挑戦した時は、
100万円を目標にして、結果は約3万円でした。
当時はコミュニティのメンバーもいたので、
「公開して告知すれば、ある程度支援してもらえるだろう」
と思っていました。
でも、
100万円を誰から集めるのか
を具体的に考えていませんでした。
今なら、目標金額を決める段階で、
「誰が支援してくれそうか」
「どのくらいの金額を支援してくれそうか」
を一人ずつ見ていきます。
クラファンの目標金額は、企画書の中だけで決める数字ではありません。
実際の人まで見ながら決める数字です。
クラウドファンディングでは、
最初の目標金額と、最終的に目指したい金額を分ける
という考え方もあります。
たとえば、
最低限プロジェクトをスタートできる金額が100万円。
本当は、より理想的な形を実現するために300万円を目指したい。
この場合、
第一目標を100万円に設定して、
達成後に次の目標として200万円、300万円を目指す方法があります。
CAMPFIREでも、目標達成後にネクストゴールを設定する考え方が案内されています。
ただし、
達成率を高く見せたいから、必要以上に低い目標を設定する
という意味ではありません。
100万円集まれば何ができるのか。
300万円なら何ができるのか。
それぞれをきちんと説明できる必要があります。
僕が第一目標を考える時に大切にしているのは、
その金額が集まったら、支援者との約束をきちんと実行できるか
です。
特にAll-or-Nothing方式の場合、目標金額を達成するとプロジェクトが成立します。
本当は300万円なければ実行できないのに、
「達成しやすいから100万円」
と設定してしまえば、100万円で成立した時に困ります。
逆にAll-in方式なら、目標未達でも支援が入ればプロジェクトを実行する必要があります。
募集方式の違いは、「All-in方式とAll-or-Nothing方式の違い」で詳しく解説しています。
だから、
目標金額と募集方式はセットで考える必要があります。
同じ100万円が集まっていても、
目標金額が1,000万円なら達成率10%。
目標金額が200万円なら達成率50%です。
支援する側から見た時の印象も変わります。
CAMPFIRE公式も、目標金額に対して現在の支援額が何%なのかという「見え方」を、目標設定のポイントのひとつとして挙げています。
ただ僕は、
達成率をよく見せることだけを目的に目標金額を下げるのは違う
と思っています。
まず実行できる金額を出す。
次に支援してくれる人を考える。
そのうえで、どう見えるのかを考える。
この順番です。
必要額を計算したら300万円。
でも、現時点で300万円を集められるイメージがない。
そんな時に、
「じゃあ100万円にしましょう」
だけで終わらせるのは、僕はおすすめしません。
考えられることはいくつもあります。
・公開までの準備期間を増やす
・支援してくれそうな人を増やす
・リターンを見直す
・法人向けリターンを考える
・平均支援額を上げられないか考える
・プロジェクト自体を小さく始められないか考える
・第一目標とその先の目標を分ける
目標金額を考えることは、
プロジェクトそのものを考え直すこと
でもあります。
目標金額を含め、公開前に見落としやすいポイントは、「クラファンで失敗しやすい7つのケース」でも整理しています。
最後にまとめると、僕がクラウドファンディングの目標金額を考える時は、主に4つを見ます。
① 実現するために最低いくら必要か
手数料、原価、送料なども含めて考えます。
② 平均支援額をいくらと想定するか
リターン構成から考えます。
平均支援額を左右するリターンの考え方は、「クラファンのリターン設計方法」で詳しく解説しています。
③ 何人の支援者が必要か
目標金額から逆算します。
④ 公開前に、その人数へどう届けるのか
支援者候補や発信力、法人支援などを確認します。
この4つがつながって初めて、
「現実的な目標金額」
が見えてきます。
クラウドファンディングの目標金額は、
「このくらい欲しい」
と決める数字ではありません。
必要な金額を計算して
支援してくれる人を考えて
支援単価を考えて
どう届けるのかまで考える。
つまり、
目標金額を決めること自体が、クラウドファンディングの設計です。
これから目標金額を決めるなら、
「いくら必要か?」
だけではなく、
「その金額を、誰とどうやって集めるのか?」
まで一緒に考えてみてください。
・クラファン公開前にやるべき準備|成功は公開前から始まっている
・クラファンのリターン設計方法|支援される「お返し」の考え方
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